2016年1月3日、グッディソンパークでの対トットナム戦、1-1の同点でエヴァートンは3試合ぶりの本拠地での勝ち点獲得が間近だった後半44分。自陣エリア内にてボールを奪ったストーンズがクリアせずにプレスに来た相手FW相手に足技を披露し、ファンからブーイングを喰らった（結局、ファールを受け大事には至らなかったが）。しかし、その後悪びれも無くファンに向かって悪態をついた。（下記動画参照）その彼が昨日、マンチェスター・シティと£47.5ミリオンで契約した。
スパーズと引き分けた6日前、ストーンズは後半終了間際に軽率なスライディングでPKを献上し、エヴァートンは残り10分からの逆転負けを喫した。
エヴァートンファンはストーンズにファーディナンドの再来となるような選手になることを期待していた。確かに、彼がファンに対して挑発的な態度をとる権利はあるが、軽率なミスが目立ったストーンズへ対するサポーターの気持ちも納得できる。
リバプールOBの元DFキャラガーはトットナム戦後にこうコメントした、
「私は何度もストーンズの軽率さについて話してきた。人々は私に対して「あなたの批判は英国人特有の考えだ。今はディフェンダーもボールをつなぐことが重要視されている。」と。私は現役時代、5、6人の外国人監督のもとプレーしたが、誰一人私だけでなくどのディフェンダーにも自陣ボックスでクライフターンをしろとは言わなかった。マルティネス（当時エヴァートン監督）も彼にそう言っていることを願う。」
だが、残念ながら、エヴァートンとマルティネスはストーンズのこういった軽率なミスに対して厳しい態度を取らなかった。ただ、他クラブ（サンダーランド）の監督であったサム・アラダイス（現イングランド代表監督）ですら彼に対しての教育方法はわかっていた。
「私はストーンズと契約し、どのようにディフェンスすべきなのか教えたい。彼のように賢い選手に対してそれを教えることは全く難しいことではない。彼のような優れたパス能力は尊重すべきだ、ただDFとして正しいプレーの仕方を教えなければならない。ファーディナンドの意見は正しい。彼も若い時ストーンズと似たようなプレーをしていた。ただ、人々は彼の軽率さを批判し続け、25、6歳の頃には世界最高のDFとなった。」
エヴァートンファンはストーンズが昨夏にチェルシーへの移籍を希望した際、大変ショックを受けたが、結局残留した。今夏も移籍が有力視され続け、やがてグアルディオラが指揮するマンチェスター・シティーに移籍することになった。
多くの人々からストーンズよりも格下だと思われていたスモーリングとケーヒルがレギュラーとして起用され、EUROでプレー時間ゼロに終わったことは彼にとって新たなスタートとして良いきっかけになるかもしれない。エヴァートンの新監督の名称クーマンはストーンズの移籍決定後そしてキャプテンのジャギルカが怪我で離脱した後、フロントによりフィジカルの強いDF二人の獲得を頼んだ。
マルティネスの名誉のために加えておくが、まだ無名の若手DFだったストーンズが大型契約するほどのDFまで育ったのは彼をレギュラーに抜擢したマルティネスの功績である。マルティネスは昨夏、£30の移籍金でのチェルシーへの移籍を却下し、昨シーズン、彼により多くの経験をさせた。トップチームの監督として若手を抜擢することは決して簡単なことではない。様々な批判をされているストーンズだがまだ22歳である。
マルティネスは代表としてプレーしたストーンズがオランダ戦でミスを犯し批判されていた時このように話した。
「人々は彼がDFとして完璧なプレーをすることを要求しているが、それはまだ、無理な話だ。彼は他の21歳の選手に比べはるかに優れている。多くの人々は彼がまだ21歳であることを覚えておくべきだ。」
ストーンズは昨シーズンのエヴァートンの低迷の原因の一つであった。ただ、彼のクレバーなディフェンスと足元の上手さはまさにグアルディオラの好むDFと言えるだろう。そして、彼は今マルティネスが期待する「世界最高のセンターバック」になるためにDFとしてより完成度の高い選手とならなければならない。
彼がこの大型契約に見合う選手であるか数年後判断されることになるだろう。
マルティネスはこの時、こう付け足した。
「私は将来のことに関して話している。なぜなら彼はまだ若い選手だからだ。400−500試合プレーした後に彼のことを評価しなければならない。しかし、彼は足元が大変に上手い選手でこれはより基礎的なプレーを重視する英国人のDFにはなかなかない能力だ。彼は一対一に強く、空中戦が強く、さらにもう一人のセンターバックに合わせることもできる。選手としてもとても冷静であり、彼の潜在能力は大変高い。」
参考
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