英紙ガーディアンのライター、ジョナサン・ウィルソンがここまでのマンチェスターシティの戦術について分析している。
グアルディオラは様々な戦術を実験し、マンチェスター・シティにそしてプレミアリーグに新たな風を吹かすことは間違い無いだろう。プレミアリーグでの2試合を終えペップのシティでの戦術が少しずつ明らかになってきた。
まずは、イングランド代表の正GKジョー・ハートをベンチに追いやり、控えのキャバレロを起用している。そして、先日バルセロナの正GKだったクラウディオ・ブラーボを獲得した。ユーロ出場により2週間チーム合流が遅れたこと以上にペップが重要視する足元の技術の欠如が理由であるだろう。
ユーロで低調なプレーをしたものの、セービング力ではハートがキャバレロを上回っていることは間違いない。しかし、ペップは足元の技術、ポゼッション率の高さを維持できる力、そしてカウンターアタックを阻止する前方への守備範囲を重視する。
この考え方はサンダーランド戦にての左CBを空中戦が強いマンガラではなく、よりパス能力が高い本職がLSBのコラロフを起用したことにも起因する。
ここまでの2試合では予想通りシティは高いボール支配率を記録している。ボールを保持している際、中盤の底のフェルナンジーニョが2人のCBの間に降りてきて、3バックのような形をとって組立を行い、両サイドバックがMFのようなポジションを取る。これはバイエルン時代にラームとアラバを使って行った戦術と同じである。そして司令塔のデブルイネとシルバが8番のポジションでプレーすることが増えている。つまり守備時は一般的な4-1-4-1だが、攻撃時は下図のようになる。
4-3-3のフォーメーションは70年代にオランダとアルゼンチンで生まれたもので3人のMFは通常中盤の底で守備的な選手(6番)、攻撃的な位置を取る司令塔(10番)、そして攻守両方での貢献が必要になるボックストゥボックス型の選手(8番)といった起用をされるのが一般的だ。
デブルイネとシルバという2人の10番型の選手のどちらかを8番に起用するのではなく、2人共10番と8番の中間のポジションを取ることが多くなっている。デブルイネはこの新しいポジションを”自由な8番”と名付け、
「今のポジションは自分が今までプレーしていたポジションとは違う。多少の変更は強いられるが、問題ない。ペップは彼特有の戦術がある。私は10番ではプレーしていないが、より自由な動きができる8番でプレーしている。」
しかし、まだチーム全体としてやや戸惑いがあるようで、
「観ていると、まだ選手達がどこへ走るのか考えなければならない場面が時々ある。だが、初戦としては予想以上に良かったと思う。」
長期的に見ると、サニャ、クリシーなどのシティのサイドバックがどれほどシステムに適応できるかが疑念される。ペップがバイエルンで似たようなシステムを使った時、攻撃時により中盤の選手のような役割をしていたサイドバックは技術が高く、中盤でもプレーできるラームとアラバだった。相手は攻撃時、このサイドバックの弱点を突くことが多くなりそうだ。
さらに、ドルトムントから移籍したギュンドアンのコンディションが上がった時にフェルナンジーニョと併用できるかも問題になる。もし、ギュンドアンが現在のフェルナンジーニョのポジション(中盤の底)でプレーすることになると、フェルナンジーニョはCBとしても起用されるのではないかと予想する評論家も多い。
今後、9/10のマンチェスターダービーまでにどのように戦術を確立していくのか、見ものである。
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