AL、NL最新MVPレース

残りシーズンも1ヶ月半、プレーオフ争いも加熱してきたMLB。ここで、現時点でのアメリカン・ナショナル両リーグのMVPの有力候補と言える5選手について確認しよう。


AL

アメリカンリーグは打撃力の高いチームが多いこともあり、混戦。二塁手として驚異的な成績を上げているアルテューベを筆頭に昨年のMVPドナルドソン、オリオールズ快進撃の立役者マチャード、2回の1試合3本塁打をやってのげたベッツ、そしてMLB最高の選手トラウトと誰が受賞してもおかしくない状況だ。

◉ ホセ・アルテューベ(HOU 2B AVG:362/HR:19/RBI:73/SB:26/OBP:427/OPS:1000)

現在のアメリカンリーグMVP候補筆頭と言えるであろうアルテューベ。身長167cmとMLB選手にしては異例の小柄だが、パンチ力も兼ね備えている。22歳のショートでAロッド二世と言われているコレアとの二遊間コンビは30球団屈指だろう。一昨年の首位打者に加え、今季も打率、出塁率、OPS、盗塁リーグトップ。2塁手という守備的負担も多いポジションでのこの成績は驚異的。守備成績も例年に比べ、まずまずの数字を挙げている。開幕当初は一番だったが、ここ最近は3番での起用が続いている。

○ ジョシュ・ドナルドソン(TOR 3B AVG:292/HR:28/RBI:79/SB:6/OBP:401/OPS:966)

昨年のMVP。14年オフにアスレチックスからトレードでより打者有利の本拠地のブルージェイズに移籍し、一気に成績がアップした。2年連続のMVPを狙うが、現在はアルテューベに少し劣っている。しかし、今年も昨年に引き続き、リーグ屈指の成績を維持。打撃だけでなく5ツール兼ね備えた選手であり、守備面での貢献はアルテューベよりも高いというデータもあり。去年よりブルージェイズでは2番を打っており、最近のMLBの2番に長距離砲を置くトレンドの先駆けである。

○ マニー・マチャド(BAL 3B AVG:305/HR:26/RBI:69/SB:0/OBP:363/OPS:915)

着実に成長を続けている24歳。下馬評が低かった予想に反して、プレーオフ争いに参加しているオリオールズの主砲。2014年までは期待されながらも打撃成績があまり上がらなかったが、去年35本塁打と覚醒。今年はここまでそれ以上の成績を収めている。13、15年にゴールドグラブ賞を受賞しているなど強肩を生かした守備力も高い評価を受けている。今年のオールスターでは去年のMVPドナルドソンを抑えてファン投票でサードのスタメンに選出された。ショートのレギュラーのJJ・ハーディーがDL入りした時にはショートも守っていた。ただ、去年20盗塁だったが、今シーズンはここまでひとつも盗塁していない。雰囲気的には原辰徳のような若大将感が出始めている。

▲ ムーキー・ベッツ(BOS RF AVG:313/HR:26/RBI:84/SB:18/OBP:353/OPS:914)

メジャーまだ3年目、5ツール兼ね備えたレッドソックスの核弾頭。フルシーズンでの出場が初めてだった去年もOPS800越え、盗塁21と活躍。今年はさらなるグレードアップを果たし、WARはトラウト、アルテューベに次いで堂々の3位。身長175cmと小柄ながら、長打力もあり、今年は1試合3本塁打を2回も達成するなど、印象面も十分の働き。ショートのボガーツとともに今年引退するオルティーズに変わってチームの顔となることが期待されている。

▲ マイク・トラウト(LAA CF AVG:311/HR:22/RBI:75/SB:19/OBP:423/OPS:973)

もはや説明不要のMLBのスーパースター。今年5年目だが、過去4年MVP投票で常に1位または2位と言う驚異的な25歳。今年もWARはAL1位。昨年11盗塁まで落ち込んだ盗塁数もここまで19と復調気配だ。ただ、今年のMVP獲得が難しい最大の理由が所属チームのエンジェルスが最下位に沈んでいること。基本的にはプレーオフ争いをしているチームの選手から選出されるため、圧倒的に他候補を上回る成績を残さない限り、受賞は難しいだろう。

NL

アメリカンリーグに比べ、やや小粒なナショナルリーグ。混戦のアメリカンリーグに比べ、絶好調カブスの主砲、ブライアントとリゾの一騎打ちといったところだろうか。

◉ クリス・ブライアント(CHC 3B AVG:288/HR:28/RBI:72/SB:7/OBP:383/OPS:981)

2年目ながら、好調カブスのW主砲の一角として現在本塁打ランキング2位のブライアント。26本塁打を放ち、新人王に輝いた去年からさらにパワーアップし、さらに甘いマスクも魅力で今後MLBの顔となっていくことが期待されている。シーズン中盤から2番を打つようになり、カブス打線を引っ張っている。

○ アンソニー・リゾ(CHC 1B AVG:291/HR:25/RBI:85/SB:3/OBP:398/OPS:970)

ブライアントと共に左の主砲として牽引しているリゾ。メジャー屈指の打者に成長し、今年も前半こそ打率がやや低かったが、3年連続の30本塁打を放つペースで好調を維持している。また、一塁手でありながら守備や走塁も高い評価を受けており、MVP争いもチームメイトのブライアントと一騎打ちとなってきた。

○ ダニエル・マーフィー(WAS 2B AVG:348/HR:22/RBI:86/SB:3/OBP:387/OPS:1003)

今年、ナショナルズに移籍し、一気に成績を上げたマーフィー。メッツに在籍していた昨年プレーオフに6試合連続本塁打(しかも、打った投手がカーショー、グレインキー、レスター、アリエッタなどメジャー屈指の投手たち)と神がかった活躍を見せた。移籍した今年はそのプレーオフでの活躍そのままに5月まで4割台と驚異的な打率を誇っていて、ハーパーがイマイチなナショナルズ打線を牽引している。ただ、二塁手としては守備力にやや難がある。

▲ コーリー・シーガー(LAD SS AVG:309/HR:21/RBI:56/SB:1/OBP:362/OPS:913)

若干22歳、若手のホープ。昨年は9月にメジャーデビューを果たすと、AVG337/OPS986と打ちまくった。実質1年目扱いになる今年も開幕からショートのレギュラーとして申し分ない活躍をしており、新人王はほぼ確実視されている。HOUのコレアやCLEのリンドーアなどとともに新時代のショートとして高い期待を受けている。カーショーが戦線離脱し、主砲ゴンザレスがイマイチな中ジャイアンツと首位争いしているのは間違いなくシーガーのおかげだろう。SEAのサード、カイル・シーガーは兄。

▲ ウィルソン・ラモス(WAS C AVG:332/HR:18/RBI:65/SB:0/OBP:379/OPS:920)

昨年AVG229/HR15/OPS616だったが、突如覚醒し、ナショナルズ首位の立役者の一人とされている。捕手としてこの成績は驚異的である。元々、ボールブロック力やリードなど守備力は高い評価を受けており、盗塁阻止率も昨年NL1位。ストラースバーグやシャーザーなどリーグ屈指の投手陣も見事にまとめあげている。


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元留学生のメモ帳

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